「指圧はツボを押すのですか」と、よくお尋ねいただきます。浪越指圧サロンで手が向かうのは経絡の上の経穴ではなく、解剖学と生理学から位置を決めた約660点の圧点です。
1925年に浪越徳治郎が指圧を始めてから、この圧す場所の決め方はずっと変わっていません。帝国ホテル東京 本館中2階の施術室で、今日も同じ点をたどっています。
よくいただくご質問です
施術のあとで「ツボを押してもらった」とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。指圧という言葉から東洋医学のツボを思い浮かべる方は多く、海外からのお客様も acupressure と同じものだと思って扉を開けられます。同じ日本の手技としてひとまとめに並べられることも、めずらしくありません。
そのたびに短くお答えしてきましたが、一度きちんと書いておきたいと思って今回の号を用意しました。指圧がどこを圧すのかという、点の話です。
圧点は、解剖学から位置が決まっています
浪越指圧では全身におよそ660点の圧点が定められていて、サロンの案内ではバイタルポイント(指圧点)とも呼んでいます。筋肉や神経、血管やリンパ腺、内分泌腺や内臓といった諸器官のはたらきに対応する位置に置かれたものです。置き方の土台にあるのは、近代医学の解剖学と生理学でした。
ですから圧点は、体のつくりを一枚ずつたどっていった先に見つかった場所です。気の流れをたどって定められたものではありません。
その点をたどる道具は手指だけです。器具も油も使わず、ガウンや衣服の上から一点ずつ圧していきます。
経穴とは、成り立ちが違います
経穴は経絡という道筋の上にあって、中国で長い年月をかけて編まれてきました。浪越の圧点のほうは、人体の構造そのものを見て置かれたものです。同じ体の上に並んでいても、位置の決め方がまったく別の道から来ています。
どちらが正しいという話ではありません。成り立ちの違う二つを同じ言葉でひとまとめにしないでおきたい、というだけのことです。按摩やマッサージとの違いは指圧とマッサージの違いのページにまとめてあります。
体表に垂直に、一点ずつ圧していきます
圧点が決まると、次は圧し方になります。指圧では体表の面に対して垂直に、一点ずつ圧を置いていきます。斜めに滑らせたり揉んだりはしません。
この垂直というひとつの答えは、六歳の徳治郎が母の背中で見つけたものでした。なでるよりさするより、硬くなったところを垂直にひと点で圧したときが一番楽だと母が言ったそうです。そのいきさつは連載第2回『圧』という一文字に書きました。
順番は決まっていて、その日の硬さは手でうかがいます
圧していく順番は体系として決まっていて、どの施術者も同じ道すじをたどります。そのうえで、どの点をどのくらいの強さで圧すかは筋肉の状態をたしかめながら決めていくものです。決まった型と、その日の体を読む手と、二つが揃って一回の施術になります。
手のひらには触れたものを受け取る感覚器が備わっていて、硬さや温度を拾いながら強さと角度を少しずつ変えていきます。同じお客様でも、前回と今日とでは手の運び方が同じではありません。だから毎回、扉を開けたところから読みはじめます。
強く圧すほど良いということもありません。硬いところほどゆっくり時間をかけて、体がゆるむのを待つように圧を置いていきます。
帝国ホテル東京 本館中2階でお待ちしています
この660点の上を、わたしたちは毎日たどっています。場所は帝国ホテル東京 本館中2階で、11時から19時まで年中無休です。最終のお時間は19時の開始になります。
ご予約はお電話 03-3581-7354 か、メール reservation@
指圧は、国家資格「あん摩マッサージ指圧師」に基づく施術です。医師による診断・治療に代わるものではありません。
浪越指圧サロン