按摩でもマッサージでもない、日本独自の手技。
それが、指圧です。
按摩・マッサージとの違い
按摩、マッサージ、指圧。
似て非なるこの三つの手技は、それぞれ異なる風土から生まれました。
按摩 — あんま
中国を起源とし、手指のほか、肘や膝も用いて、揉んだり、捏ねたり、叩いたりする手技。揉捏法、叩打法を主軸とします。
マッサージ
ヨーロッパで発祥した手技。強擦、軽擦——なでる、さするという動作を通じて、末梢部から心臓部へ、静脈血の流れを促します。
指圧 — しあつ
日本で生まれた手技。体表の特定の点「指圧点」に対して、面に垂直に圧すのが基本です。心臓部から末梢部へ、動脈血を促し、酸素と栄養を細胞へ届ける——そして、用いるのは手指のみ。道具を一切使わない、純粋な手技です。
指圧療法の基本
指圧の目的は、
身体に本来備わる力を引き出し、健康の維持・増進を図ることにあります。
身体の体表には、解剖学・生理学に基づいて定められた
「バイタルポイント(指圧点)」が、全身に660点。
それぞれが筋肉、神経、血管、リンパ系、内分泌系、内臓——
諸器官の働きに対応する位置にあります。
どの部位を、どのように押圧するか。
それは、施術者が筋肉の状態を確認しながら、
臨機応変に判断します。
なぜ、手指のみを用いるのか
手のひらには、感覚を司るさまざまな受容器が存在します。
触覚を捉えるマイスナー小体、圧覚のパチニ小体、
冷覚のクラウゼ小体、温覚のルッフィニ小体、痛覚の遊離神経終末——
これらが、筋肉の硬さ・柔らかさ、身体の温熱・ほてり・冷えを
微細に感じ取り、施術の指針となります。
熟練した施術者の指は、臨床経験を重ねるごとに、
柔らかく、弾力に富み、
身体のごくわずかな変調まで察知できるようになります。
七つの方向性
指圧の方向性は、七つに整理されています。
- 皮膚機能の活発化
- 筋組織の柔軟化
- 体液循環の促進
- 神経機能の調和
- 内分泌の調節
- 骨格バランスの調整
- 消化器系の正常化
これらすべてに、手指の感覚と、臨機応変の判断が、寄り添います。