あん摩とマッサージと指圧は、ひとつの国家資格のなかに並んでいますが、生まれた場所も時代も別々です。あん摩は中国から、マッサージはヨーロッパから伝わり、指圧は1925年の日本で浪越徳治郎が始めました。
帝国ホテル東京 本館中2階の浪越指圧サロンでも、この三つはどう違うのかとよく尋ねられます。この記事では、三つの言葉がそれぞれどこから来たのかをたどってみました。
ひとつの免許に、三つの名前が並んでいます
国家資格の名前は、あん摩マッサージ指圧師といいます。ずいぶん長い名前ですが、三つの手技の名前がそのまま一続きになっているからです。
根拠になっている法律は「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年法律第217号)です。その第一条は、あん摩とマッサージと指圧を業とする人が、同じひとつの免許を受けるように定めています。名前が三つ並んでいるのは、もともと別々のところから来た手技を、ひとつの免許でまとめているからです。
あん摩 ― 中国から伝わった手技です
あん摩は中国で生まれました。手指だけでなく肘や膝も使いながら、揉んだり捏ねたりする揉捏法と、叩く手技が軸になっています。手が止まらずに動きつづけるのが、あん摩の輪郭です。
サロンでも、マッサージのことをあんまと呼ぶお客様にお会いします。地方によっては今も日常の言葉として残っていて、言葉が暮らしのなかに長く根を張ってきた証だと思っています。
マッサージ ― ヨーロッパから届いた手技です
マッサージはヨーロッパで生まれました。手技の軸になるのは強擦法と軽擦法で、手のひらや指を使い、なでたりさすったりしながら進めていきます。
手を動かす向きにも決まりがあって、手足の先のほうから身体の中心へ向かっていきます。あん摩が揉む手だとすれば、マッサージはさする手です。同じ「身体に手でふれる」でも、道具立てがまるで違います。
指圧 ― 1925年の日本で、圧すという一語から始まりました
指圧は日本で生まれました。1925年、浪越徳治郎が北海道の室蘭に指圧を掲げた施術所を開きました。
その手のかたちが決まったのは、もっと前のことです。六歳の徳治郎は、北海道へ移り住んだあと身体の痛みを訴えるようになった母親の背中に、毎日手を当てていました。なでたりさすったりするよりも、硬くなっているところを垂直にひと点で圧すほうが楽だと、母親は徳治郎に伝えています。
なでる手でも揉む手でもなく、垂直に圧す手がそこに残りました。指と圧という二文字を重ねた指圧という言葉は、この一点から生まれています。いまも浪越指圧サロンでは、ガウンや衣服の上から器具も油も使わずに手指だけで圧していきます。
1955年と1964年 ― 法律のなかで名前が分かれました
言葉が生まれても、法律のなかに居場所ができるまでには時間がかかりました。指圧が初めて法律に書き込まれたのは1955年です。
ただしこのときは、法律の題名に指圧の二文字がありませんでした。あん摩のなかに含める形での登場だったわけです。三つ目の手技としてではなく、ひとつ目の手技の一部として数えられていました。
題名が変わったのは1964年です(昭和39年法律第120号)。この改正で、法律の題名のなかに指圧の二文字が入りました。創始から三十九年をかけて、指圧は法律のうえで自分の名前を持ったことになります。
三つとも、同じ国家資格のなかにあります
由来は三つとも別々ですが、いまは同じひとつの免許のなかにあります。あん摩マッサージ指圧師は厚生労働大臣の免許で、養成施設で三年以上学んだうえで国家試験に合格した人に与えられるものです。浪越指圧サロンの施術者は、全員がこの国家資格を持っています。
指圧は日本のマッサージの一種だと書かれているのを目にすることがありますが、話はもう少し込み入っています。三つは免許と国を分け合っていても、生まれた場所までは分け合っていません。目の前の手がこの三つのどれをしているのかが分かると、受けているものの輪郭もはっきりします。
三つの違いをもう少し詳しく知りたい方は、あん摩マッサージ指圧師という国家資格と指圧とマッサージは、何が違うのかのページもご覧ください。
サロンは帝国ホテル東京 本館中2階にあります。11時から19時まで年中無休で、最終のご案内は19時の開始です。お部屋は完全個室と吹き抜け個室、それにツインルームをご用意しています。
料金は60分16,500円、90分22,600円、120分28,600円です(税込)。ご予約はお電話 03-3581-7354 か、メール reservation@
指圧は、国家資格「あん摩マッサージ指圧師」に基づく施術です。医師による診断・治療に代わるものではありません。
浪越指圧サロン